宵闇市ガイド創刊号|巻末付録・第39ページ「削除された章と欠番ページ」

宵闇市まるごとガイド 創刊号

削除された章と欠番ページ

― 編集過程で確認された、いくつかの不一致について ―

前の資料では、ページ番号について少し触れました。

今回は、その続きをご説明します。

何も難しい話ではありません。
本というものは、最初に考えた構成のまま完成するとは限りませんからね。
執筆中にページが増えることもあれば、不要になった章を削除することもあります。

誤って同じ番号を二度使うこともあるでしょう。
印刷物であれば、そのような問題は校正の段階で修正されます。
電子媒体でも、公開前に目次やリンクを確認すれば済む話です。

ですから、初めに申し上げておきます。

現在公開されている『宵闇市まるわかりガイド』のページ番号に、欠番があるわけではありません。
少なくとも、読者の皆さまがご覧になる範囲では。

問題になったのは、その前の資料です。

Ⅰ.最初に見つかった目次

確認されたのは、制作途中のガイドに使用されていた目次の控えでした。
最終版の目次とは異なり、各章の名称、仮のページ番号、担当者の確認欄などが記載されています。

古い目次が残っていること自体は、何も珍しくありません。
私も、以前の仕事で作成した目次を何度も使い回したことがあります。

便利なんですよ。
書き直す箇所さえ間違えなければ。
今回の控えも、おそらくはそのようなものだったのでしょう。

ただ、末尾に少し妙な記載がありました。
通常、原稿を削除した場合、目次からもその項目を取り除きます。

ところが、その控えでは、章題だけが消され、確認欄が残っていました。
そして、確認欄にはすでに印がついていたのです。

削除の指示よりも後の日付で。

Ⅱ.欠番として記録されたもの

残っていた管理表の一部を、以下に転記します。
ここで示す番号は、現在公開されているWEBページの番号ではありません。

制作途中の原稿に付けられていた、内部管理用の番号です。

管理番号項目名記録上の状態
資料-12街歩き補足採用
資料-12-A(空欄)削除
資料-12-B(空欄)確認済
資料-13地域情報補足採用
資料-13-A(空欄)削除

こうして並べると、特に不自然には見えませんね。

途中で追加した資料に枝番を付け、不要になったものを削除した。
ごく普通の管理方法です。

問題は「資料-12-B」の確認済という記載でした。
ほかの削除済み資料には、担当者の名前や確認日が残っています。

しかし、この資料だけは、確認した人間を示す欄が空白になっていました。
押印欄には印がありました。
日付もありました。
誰の印なのかを記す欄だけが、なかったのです。

最初から、その欄が作られていなかったように。

Ⅲ.削除された章題について

欠番になった資料のうち、ひとつだけ、古いファイル名が残っていました。
正式な章題だったのか、作業用の仮題だったのかは不明です。

ファイル名は、次のようなものでした。

「帰り道の案内」

街歩きの補足資料としては、特に変わった名前ではありません。

観光地から駅へ戻る道順。
バス停までの案内。
夜間に利用できる交通手段。
そうした情報をまとめようとしていたのかもしれません。

ただ、現在のガイドでは、そこまで細かい帰路の案内を独立した章にはしていません。
交通機関や各施設については、必要な箇所で紹介する方針だったのでしょう。

それで削除された。
そう考えれば、何の問題もありません。

ところが。
ファイル名の下に残されていた備考欄には、こうありました。

「帰路は掲載しない。往路と一致しないため」

……さて。
これは、どういう意味でしょう。

行きと帰りで利用する道路が異なる、ということでしょうか。
一方通行や道路工事などが理由なら、十分に考えられます。
あるいは、地図の縮尺が合っていなかったのかもしれません。

どちらにせよ、説明不足ですね。
備考として残すなら、もう少し詳しく書いてほしかったところです。

Ⅳ.本文がないのに残っていた修正指示

もうひとつ、確認できたことがあります。

削除済みの項目に対して、本文の修正を求める指示が残されていました。
これも、作業中であれば起こり得ることです。
担当者同士の連絡が行き違えば、すでに削除された原稿について修正依頼が届く場合もあるでしょう。

ただし、今回の記録は少し違います。
修正指示が出された時点で、該当する本文ファイルはすでに管理表から削除されていました。
指示には、修正箇所を示す文章もありません。
残っていたのは、短い一文だけでした。

「三人目の案内人を削除してください」

何の案内人なのかは不明です。
本編には、特定の案内人が三人登場する章は確認されていません。
人物紹介か、観光モデルコースの下書きだったのでしょうか。
あるいは、ガイド本文とは関係のないメモが混ざったのかもしれません。

残念ながら、判断できるだけの資料はありませんでした。
なお、この指示に対しては、作業完了の印が付いています。
誰が処理したのかは、やはり記載されていません。

Ⅴ.空白のページについて

削除された章に対応する本文が残っていないのなら、調査はそこで終わりです。

普通なら。

しかし、原稿の整理中、内容が記載されていないファイルがひとつ見つかりました。

ページの大部分は空白です。
画像もありません。
注釈もなく、本文らしい文章も残されていません。

ただ、ページの最後に、次の記述がありました。

「ここまでご案内した方は、戻られました」

それだけです。

誰が、どこから戻ったのでしょうか。
案内人が帰宅したという意味でしょうか。
あるいは、観光客を無事に送り届けたという報告なのかもしれません。

……なんですが、この一文には少し引っかかるところがあります。

「ここまでご案内した方は」

この言い方では、案内した人物なのか、案内された人物なのかがはっきりしません。
文脈によって、意味が変わってしまいます。
前後に説明があれば、判断できたでしょう。

それなのに、前のページはありませんでした。

正確には、そのファイルに前のページは含まれていませんでした。

Ⅵ.ページ数が合わない理由

さて。
こうした資料が残っていたからといって、完成したガイドに異常があるとは限りません。

編集途中の原稿には、さまざまな記録が混ざります。
没原稿や旧版、重複したファイルなどを含めれば、実際に公開される記事数と管理表の数字が一致しないこともあります。

したがって、読者の皆さまが本編を読み直して、欠けているページを探す必要はありません。

現在の公開目次は、公開用として整理されたものです。
こちらで確認した限り、各ページへのリンクも連続しています。

ただし、ひとつだけ説明できない点が残っています。

資料の整理前と整理後で、本文ファイルの数は一致していました。
管理表から削除された項目についても、その分だけ別の資料が追加されていました。
数としては、何もおかしくありません。

それなのに、最終確認の欄には、こう記載されています。

「不足 一ページ」

誤記でしょうか。
ええ、そうかもしれませんね。

作業中に、数え間違いをすることはあります。
このときは、不足しているという記録の隣には、訂正ではなく、もう一つの確認印が押されていました。

その下に、別の筆跡で小さく書き足されています。

「見つけても追加しないこと」

Ⅶ.資料の取り扱いについて

ここまでの記録は、確認できた内容に基づいて整理したものです。
資料同士の関係については、推測を含む部分もあります。

そのため、削除された章が実際にどのような内容だったのか、断定することはできません。
また、これらの内部管理番号を現在の公開ページに対応させることも、適切ではないでしょう。

繰り返しますが、公開されているガイドには、読者の皆さまが探すべき欠番はありません。
どうぞ、通常どおり読み進めてください。

なお、今回ご紹介した資料のうち、空白のページについては、転載を見送った部分があります。

内容がなかったからです。

……すみません、正確には、こちらで内容を確認できなかったためです。

ああ、いえ。
勘違いしないでください。
読めない文字が書かれていたとか、そういう話ではありません。

何も書かれていなかったのです。

確認したときには。

Ⅷ.次の資料へ

次は、本誌の編集者と、原稿がどのような経緯で集められたのかについて整理します。

併せて、ガイドの装丁に関する記録も取り上げる予定です。
本編をご覧になった方なら、すでに編集部の名称はご存じでしょう。

ですが、それとは別に、制作記録に残っている名前があります。
同じ仕事を担当していた別の方なのか、以前の編集者なのか。
現在の資料だけでは、まだ判断できません。

このあたりも、できる限り順を追ってご説明したいと思います。

もっとも。
名前が違うからといって、必ずしも別人とは限りませんからね。

それでは、次のページへどうぞ。


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